Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
しかし、いよいよ雑誌を始めるのには、もう少し金がいる。それに、その前に、古い文債も一とまず始末して置かなければならない。となって、単行本の翻訳を一つと雑誌の原稿を二つ抱えて、一カ月ばかりの計画でいつもの通り葉山へ出かけることになった。
一時はずいぶんこの雑誌の創刊に熱中していた神近も、その頃では、もう大ぶその熱がさめていた。僕が彼女にばかりではなく、なお伊藤にもいろいろと雑誌の相談をしかけて、伊藤がその保証金の奔走をしたりするようになってからは、彼女はむしろ僕等の計画に対して多少の反感をすら持っているようだった。そして、自分は別に宮島(資夫)の細君の麗子君と一緒に、何かやろうなどとも言っていた。しかし、それも麗子君にはあまりよく賛成されず、またひそかに頼みにしていた青山菊栄君(今の山川夫人)からは態よく拒られて、彼女は半ばそれを断念するとともに、その口惜しさのあまりを僕等の計画の上に反感として向けもしたようだ。そしてその上に彼女は、僕等の計画の上に、また僕や伊藤の上に、どうしてそんな金ができるものかという侮蔑や冷笑も持っていた。
実際僕等はずいぶん困っていた。