Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
そしてあなたならそんな話は分ろうと思って来たんです。」
「そうですか、分りました。で、いくら欲しいんです。」
「今急のところ三、四百円あればいいんです。」
「ようごわす、差しあげましょう。が、これはお互いのことなんだが、ごく内々にして戴きたいですな。同志の方にもですな。」
「承知しました。」
金の出道というのは要するにこうなのだ。そして僕は三百円懐ろにして家に帰った。
その金は、しばらく金をちっとも持って行っていない保子のところへ五十円行き、なおもうぼろぼろになった寝衣一枚でいる伊藤に三十円ばかりでお召の着物と羽織との古い質を受けださせて、まだ二百円は残っていた。それにもう五十円足せば、市外に発行所を置くとすれば、月刊雑誌の保証金には間に合うのだ。
「が、もう雑誌なぞはどうでもいい。あしたはその金を伊藤に持って来て貰って、こいつに投げつけてやるんだ。」
僕は一人でそう決心した。
また、彼女が伊藤の着物のことを言いだしたのから思いだすと、ふだん人の着物なぞにちっとも注意しない彼女が、そういえば伊藤の風ていをじろじろと見ていた。彼女はもう大ぶ垢じみたメリンスの袷(それとも単衣だったか)に木綿の羽織を着ていた。