Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
僕は来年は必ず幼年学校の試験に及第してうんと勉強して陸軍大学にはいるんだときめた。
お繁さんの里の、飯倉の末川という家へも行った。山田の家の心地よさに酔うていた僕は、末川家のさらに幾倍もの贅沢に少々驚かされた。
家は上と下とに二軒あった。下は妾宅で上は本宅だった。長男が一人本妻の子でしかもそれは馬鹿で、あとはみな男も女も綺麗な、もと烏森とかにいたという妾の子だった。お繁さんもその姉さんも勿論この妾の子だった。お繁さんの下にもまだ女の子が二人いた。そして下の家には妾とそれらの女の子とだけがいた。みんなはその妾を自分のほんとうのお母さんを、栄ちゃんと呼んでいた。
食事時には、ふだんは男ばかりいる上の家へみんなが集まった。僕も行けばきっとこの上の家の、西洋室の応接間にはいってソファの上に横になっていた。
僕はこの家で初めて電話というものを知った。また、お繁さんの姉さんの手で初めてピアノというものの音を聞いた。僕はこの家のみんなが、その綺麗でそしてお上品な中に、どこかしら冷たいものを持っていることに気がついた。が、それでもやはり、その贅沢な生活を味いに、時々遊びに行かない訳には行かなかった。