Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じさつをかうはなし
自殺を買う話
橋本 五郎
Lesen Sie 自殺を買う話 (じさつをかうはなし) von 橋本 五郎 (はしもとごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.685 Zeichen · 16 Bildschirme
「ね、そうして呉れ給え。その方が僕としても都合がいいんだ、是非、頼み度いこともあるし――」
そして青年は一寸眼を瞑った。彼は、頼むと云われた言葉に不安を感じた。そしてこれまでの、食事や入浴やが、ひどく不気味に悔いられて来た。俺を何に使う考えだろうか? 利用せられるのではないだろうか?
「実はね」
青年は多少声を落して、
「これは君の自殺を買うための頼みなんだが」と話し始めた。それに依ると、明晩ある所まで使いに云って貰い度い、そして金を受取ったならば、その金は君自身好きなように使い果して呉れればいい。自分の頼みは、その家まで行って貰うことにあるので、それ以外は皆君の自由だ。勿論金を受取ったからって、再び此処へ帰らなくともいい、いや帰らない方がいい、と云うのである。
彼は、そのあまりに不合理な依頼に、一時は躊躇もしたが要するに恩人の頼みだ。受取った金は、再び此処へ持ち帰ればいい。そうすれば自分の責任も済む。と独り考え定めて、その依頼に、快く応ずることにしたのであった。
「で、何と云って行くんですか?」
「うむ、一寸待って呉れ給え」
青年は、眼を瞑って、暫くその言葉を考える様子をした。