Japanische Klassiker mit Furigana
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おきつやごえもんのいしょ(しょこう)
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
Lesen Sie 興津弥五右衛門の遺書(初稿) (おきつやごえもんのいしょ(しょこう)) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.491 Zeichen · 9 Bildschirme
に不相成様、清浄なる火にて御焼滅下されたく、これまた頼入り候。某が相果て候今日は、万治元戊戌年十二月二日に候えば、さる正保二乙酉十二月二日に御逝去遊ばされ候松向寺殿の十三回忌に相当致しおり候事に候。
某が相果候仔細は、子孫にも承知致させたく候えば、概略左に書残し候。
最早三十余年の昔に相成り候事に候。寛永元年五月安南船長崎に到着候節、当時松向寺殿は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御茶事に御用いなされ候珍らしき品買求め候様仰含められ、相役と両人にて、長崎へ出向き候。幸なる事には異なる伽羅の大木渡来致しおり候。然るところその伽羅に本木と末木との二つありて、はるばる仙台より差下され候伊達権中納言殿の役人ぜひとも本木の方を取らんとし、某も同じ本木に望を掛け、互にせり合い、次第に値段をつけ上げ候。
その時相役申候は、たとい主命なりとも、香木は無用の翫物に有之、過分の大金を擲ち候事は不可然、所詮本木を伊達家に譲り、末木を買求めたき由申候。某申候は、某は左様には存じ申さず、主君の申つけられ候は、珍らしき品を買求め参れとの事なるに、このたび渡来候品の中にて、第一の珍物はかの伽羅に有之、その木に本末あれば、本木の方が、尤物中の尤物たること勿論なり、それを手に入れてこそ主命を果すに当るべけれ、伊達家の伊達を増長致させ