Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほどう

舗道

宮本 百合子

Lesen Sie 舗道 (ほどう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.745 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

れい子が、不安そうに片頬笑いをうかべて、

「私なんか、あやういもんだワ」

と云ったが、誰もそれを笑えなかった。

「だってあなたんところ勤めてるんでしょ」

「そりゃそうだけれど、いつどんなことになるかしれないじゃないの。……人間の体だもの」

「ねエ、バカにしてるわねえ」

サワ子が熱心に云った。

「何ぞって云うと女らしくしろ! 女らしくしろって会社じゃ云うくせしてねえ!」

この頃の不景気につれて、会社ばかりでなくいろんな工場でも、男より賃銀のやすい女をドシドシ使うようになって来た。しかも家持ちの、年数の古い女は、能率があがらないと云ってクビにする。その代りに小学を出たばっかりぐらいの若い娘を、モットやすい賃銀で雇って仕込む。

「私んとこの下の小母さんの親類でも、そういうわけで二人もクビんなったわ、ついこの頃」

柳の話をみんな黙ってきいていたが、れい子がしんみりと云った。

「――大きなビルディングの中にいるというだけで、私たちだって女工さんだって違いありゃしないのねえ。知識労働だなんていい気になってるだけ滑稽みたいなもんだわ」

ミサ子は××○○会社の女事務員たちの心持が一部ではあるがこんなに揃ってズーッと引緊ったのははじめてだと思った。