Japanische Klassiker mit Furigana
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はなのきむらとぬすびとたち
花のき村と盗人たち
Lesen Sie 花のき村と盗人たち (はなのきむらとぬすびとたち) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.710 Zeichen · 20 Bildschirme
じぶんが声をかけると、笑いながら話しあっていた人たちも、きゅうに仕事のことを思い出したように向こうをむいてしまうのでありました。池の面にうかんでいる鯉でさえも、じぶんが岸に立つと、がばッと体をひるがえしてしずんでいくのでありました。あるとき猿廻しの背中に負われている猿に、柿の実をくれてやったら、一口もたべずに地べたにすててしまいました。みんながじぶんを嫌っていたのです。みんながじぶんを信用してはくれなかったのです。ところが、この草鞋をはいた子供は、盗人であるじぶんに牛の仔をあずけてくれました。じぶんをいい人間であると思ってくれたのでした。またこの仔牛も、じぶんをちっともいやがらず、おとなしくしております。じぶんが母牛ででもあるかのように、そばにすりよっています。子供も仔牛も、じぶんを信用しているのです。こんなことは、盗人のじぶんには、はじめてのことであります。人に信用されるというのは、何といううれしいことでありましょう。……
そこで、かしらはいま、美しい心になっているのでありました。子供のころにはそういう心になったことがありましたが、あれから長い間、わるい汚い心でずっといたのです。