Japanische Klassiker mit Furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lesen Sie 花も刀も (はなもかたなも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.364 Zeichen · 178 Bildschirme
彼はそう心をきめた。
お豊は戻って来なかった。遊びにいっていると云った幸坊も、たぶんお豊たちが伴れていったのだろう。やはり帰っては来なかった。幹太郎は自分で寝床を延べて寝、夜明けを待って起きると、差配を訪ねて家のことを頼んだ。
――お豊が来たら荷物を渡してやるように、それまでは閉めきって鍵を掛けておくように、店賃は自分が払うから。
と、彼は念を押して云った。
差配は承知した。お豊についてなにか知っているとみえ、なんの質問もせず、まるでこうなるのを待ってでもいたように「承知いたしました」と云った。
幹太郎は駕籠をとばせて下屋敷へ帰った。
道場の稽古をちょっと覗き、それから顔を洗い直したり着替えをしたりして、すぐに富原家を訪ねた。すると「役所へあがるから夜にしてくれ」と断わられたので、門切手だけ返して道場へ戻った。
朝食を済ませてから、道場へ出ることは出たが、どうしても稽古をつける気になれない。それで伊勢と上村に代理を頼み、住居へ引込んで横になった。
――まさか売女などはしなかっただろうが。
と、彼は横になって考えた。
――万一そんなことがあったにせよ、自分には関係のないことだ、お豊とのかかわりを詳しく話せば、わかってくれるに違いない。