Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

Lesen Sie 花も刀も (はなもかたなも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.364 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

――おれは薄情なつもりではなかった。

彼はお豊をまじめな女にしようと思い、そのために努力した。

――そこが、くいちがっていた。

お豊は、ただ深喜を求めていたのである。深喜がもっと、お豊の気持を理解していたら、お豊の求めに応ずるか否かはともかく、もう少しあしらいようがあったであろう。だが、彼には、そんな気持のゆとりはなかった。彼には目的があり、その目的を達成することのほかは、少しでも心を労することを嫌った。

「では、金杉を出てからずっと、おまえもその河内屋の世話になっていたのだね」と、深喜が、幸助に訊いた。少年は「そうじゃねえさ」と首を振った。だが、そうでないわけをすぐに説明しようとはせず「平手さんは、まだお豊さんのねえさんのこと怒っているのかい」と訊き返し、それから独り言のように、おれたちと平手さんとは人間が違うからなあ、と呟いた。

深喜は唇を噛んだ。

――人間ではなく、世界が違うんだ。

彼は、心のなかでそう答えた。

本野という浪人、三平、てっぽう安、かれらも深喜が思っていたほど、悪い人間ではないらしい。お豊とかれらの関係も、堕ちた者どうしの特殊な支えあいで、実際に悪いのは「かれらの追いつめられた生活の条件」