Japanische Klassiker mit Furigana
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かしょく
花燭
Lesen Sie 花燭 (かしょく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.501 Zeichen · 38 Bildschirme
「養うの、ひきとるのと、そんな問題は、古いと思います。だい一あなたには、人間ひとり養う余裕ございますか。」男爵は、どぎもを抜かれた。思わず青年の顔を見直した。「自身の行為の覚悟が、いま一ばん急な問題ではないのでしょうか。ひとのことより、まずご自分の救済をして下さい。そうして僕たちに見せて下さい。目立たないことであっても、僕たちは尊敬します。どんなにささやかでも、個人の努力を、ちからを、信じます。むかし、ばらばらに取り壊し、渾沌の淵に沈めた自意識を、単純に素朴に強く育て直すことが、僕たちの一ばん新しい理想になりました。いまごろ、まだ、自意識の過剰だの、ニヒルだのを高尚なことみたいに言っている人は、たしかに無智です。」
「やあ。」男爵は、歓声に似た叫びをあげた。「君は、君は、はっきりそう思うか。」
「僕だけでは、ございません。自己の中に、アルプスの嶮にまさる難所があって、それを征服するのに懸命です。僕たちは、それを為しとげた人を個人英雄という言葉で呼んで、ナポレオンよりも尊敬して居ります。」
来た。待っていたものが来た。新しい、全く新しい次のジェネレーションが、少しずつ少しずつ見えて来た。