Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

めばえ

芽生

宮本 百合子

Lesen Sie 芽生 (めばえ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 40.924 Zeichen · 81 Bildschirme

Aozora Bunko

一人ごとを云ってたっても、少しはしまった事が云える――」

「…………」

「もっと張りがある様にしましょうよ、そいで調子よくネ、考えなくっちゃあならない事、云わなくっちゃあならない事が山ほどあるんじゃあありませんか……」

そう云って居るうちに、何とはなしに女はうっとりとする様なかるい悲しさにおそわれて来た。

男はだまって廊下ごしに向うの森を見て居る、口の辺にはうす笑が満ちて居る。罪のない様なかおを横から女はしげしげと見入っていつの間にか自分までつりこまれてうす笑をした。

「いいあんばいだ。ようやっと少しは柔い気持になれる」

斯う女は思って先にかがみの前でした様な様子を、器用に手早にさせて男の肩を両手でゆすぶった。

二人は崩れた様に笑った。

「何さっきあんなけんけんした声を出した?」

男は女の小指をひっぱりながら目を見て云った。

「何故って、かんしゃくが起っただけ――」

「馬鹿なこだよ、おこすわけもないじゃないか……」

「あんたが間の抜けた様子をするから悪いんだ!」

女はさっきの気持とまるであべこべのふっくりした声と気持で云った。

二人は窓ぎわに並んで座った。男の頭の回りをしとやかな秋の日和がうす赤にそめて居るのや、衿足のスーッと長いのが女にはやたらにうれしかった。