Japanische Klassiker mit Furigana
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めばえ
芽生
宮本 百合子
Lesen Sie 芽生 (めばえ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 40.924 Zeichen · 81 Bildschirme
ガックリとあごのはずれた骨ばかりの顔がお敬ちゃんの胸にくっついて居た。どうしても私はそれが気のかげんだと云ってしまえないほどおびやかされた気持になった。そしてふるえた。いかにもおく病らしい声で斯う云った。
「今おけいちゃんのかおが骨ばっかりに見えた」
「何をマア、だから貴方今日はどうかしてるって云うんだ、その青いひやっこそうな顔はマア」
思いがけなく今まで思いもよらなかった力づよい様子をして私の肩を叩いて居る。
私とお敬ちゃんの気持はまるであべこべになって仕舞った。そして、苦しさにみちた私の心は、いまにもはりさけそうになって居る。ひたいがつめたくなって、気が遠くなりそうな気がする。
「そんなに苦しいんならもうゆるしてやるがいいさ」形のないものは私の頭に斯う指図をした。
「家へ帰りましょう、それから思いっきりにぎやかな所へ行きましょう」
小さい声で云ってつまさきを見たまんま大急ぎで家の沢山ある通りに出た。
そして、そのシトシトと秋の空気の中にひびいて居る人の足音、潮の様などよめき、そうしたものの中に私達二人はホッとしたように手をかたく握り合って立った。急に私の目から涙がこぼれて来た。