Japanische Klassiker mit Furigana
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わかきひのおもいで
若き日の思い出
牧野 富太郎
Lesen Sie 若き日の思い出 (わかきひのおもいで) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.236 Zeichen · 5 Bildschirme
私が植物採集に出かける時、その採集品を始末するために、道具をたずさえて行った。吸水紙は無論のこと、押板、圧搾用の鉄の螺旋器また無論大形の採集胴乱根掘り器などいろいろな必要器を持って行った。
三河の国、高師ガ原を採集した時などは昼間は野天で一日採集して、胴乱一杯につめ、その晩、豊橋の宿屋でその採集品を始末するのについに夜が明けてしまった。夜中何度も宿の女中が床を取りに来た。けれどいつも起きて仕事をしているので女中はむなしく帰ったことがあった。
今からだいぶ前のことであるが肥前の五島列島中の最西端にある福江島へ単身で行ったことがある。それはその島の西端荒川村の玉ノ浦にヘゴがあるというのでそれを見、そして採集するために行って十分に検分し、採集してきた。その時の石のヘゴの幹が今私の宅にある。そこに日本の一番西端に位置する巨大な灯台がある。これがバルチック艦隊をまっ先に見つけたので記念となっている。この灯台に対して大きな岩が海中にある。私はその一端に腰掛け、足をブランブランさせていたが、もう灯台を見あきたので、そこを去りヒョイとその一方から今腰かけたところを望んだら私の腰かけた所が薄い岩のふちだったのでゾッとした。