Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
おらが鼻の尖を、ひいらひいら、あの生白けた芋の葉の長面が、ニタニタ笑えながら横に飛んだ。精霊棚の瓢箪が、ひとりでにぽたりと落ちても、御先祖の戒とは思わねえで、酒も留めねえ己だけんど、それにゃ蔓が枯れたちゅう道理がある。風もねえに芋の葉が宙を歩行くわけはねえ。ああ、厭だ、総毛立つ、内へ帰って夜具を被って、ずッしり汗でも取らねえでは、煩いそうに頭も重い。)
と縮むだね。
例の小児が駆出したろう、とそう言うと、なお悪い。あの声を聞くと堪らねえ。あれ、あれ、石を鳴らすのが、谷戸に響く。時刻も七ツじゃ、と蒼くなって、風呂敷包打置いて、ひょろひょろ帰るだ。
先生様、ではお前様、その重箱を提げてくれさっせえ、と私が頼むとね。
(厭だ、)と云っけい。
(はてね、なぜでがす。)
ここさ、お客様の前だけんど、気にかけて下せえますなよ。
(軍歌でもやるならまだの事、子守や手毬唄なんかひねくる様な奴の、弁当持って堪るものか。)
と吐くでねえか。
奴は朋友に聞いた、と云うだが、いずれ怪物退治に来た連中からだんべい。
お客様何でがすか、お前様、子守唄拵えさっしゃるかね。袋戸棚の障子へ、書いたもの貼っとかっしゃるのは、もの、それかね。