Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
が透き、膚の雪も幽に透く。
黒髪かけて、襟かけて、月の雫がかかったような、裾は捌けず、しっとりと爪尖き軽く、ものの居て腰を捧げて進むるごとく、底の知れない座敷をうしろに、果なき夜の暗さを引いたが、歩行くともなく立寄って、客僧に近寄る時、いつの間にか襖が開くと、左右に雪洞が二つ並んで、敷居際に差向って、女の膝ばかりが控えて見える。そのいずれかが狗の顔、と思いをめぐらす暇もない。
僧は前に彳んだのを差覗くように一目見て、
「わッ、」
とばかりに平伏した。実にこそその顔は、爛々たる銀の眼一双び、眦に紫の隈暗く、頬骨のこけた頤蒼味がかり、浅葱に窩んだ唇裂けて、鉄漿着けた口、柘榴の舌、耳の根には針のごとき鋭き牙を噛んでいたのである。
四十三
「おお、自分の顔を隠したさ。貴僧を威す心ではない、戸外へ出ます支度のまま……まあ、お恥かしい。」
と、横へ取ったは白鬼の面。端麗にして威厳あり、眉美しく、目の優しき、その顔を差俯向け、しとやかに手を支いた。
「は、は、はじめまして、」
と、しどろになって会釈すると、面を上げた寂しい頬に、唇紅う莞爾して、
「前刻、憚へいらっしゃいます、廊下でお目に懸りましたよ。