Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme

Aozora Bunko

ねえ、先生様。

お前様、今の住居は、隣の嚊々が小児い産んで、ぎゃあぎゃあ煩え、どこか貸す処があるめえか、言わるるで、そん当時黒門さどうだちゅったら、あれは、と二の足を蹈ましっけな。」

と横ざまに浴せかけると、訓導は不意打ながら、さしったりで、杖を小脇に引抱き、

「学校へ通うのに足場が悪くって、道が遠くって仕様がないから留めたんだ。」

「朝寝さっしゃるせいだっぺい。」

仁右衛門が重い口で。

訓導は教うるごとく、

「第一水が悪い。あの、また真蒼な、草の汁のようなものが飲めるものかい。」

「そうかね――はあ、まず何にしろだ。こっちから頼めばとって、昼間掃除に行くのさえ、厭がります空屋敷じゃ。そこが望み、と仰有るに、お住居下さればその部屋一ツだけも、屋根の草が無うなって、立腐れが保つこんだで、こっちは願ったり、叶ったり、本家の旦那もさぞ喜びましょうが、尋常体の家でねえ。あの黒門を潜らっしゃるなら、覚悟して行かっせえ、可うがすか、と念を入れると、

(いやその位の覚悟はいつでもしている。)

と落着いたもんだてえば。

はてな、この度胸だら盗賊でも大将株だ、と私、油断はねえ、一分別しただがね、仁右衛門よ、」