Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
それと知りつつ幾たびも気になっては、縁側から顔を出して植込の空を透かしては見い見いしました、」
と肩を落して、仰ぎ様に、廂はずれの空を覗いた。
「やっぱり晴れた空なんです……今夜のように。」
「しますると……」
旅僧は先祖が富士を見た状に、首あげて天井の高きを仰ぎ、
「この、時々ぱらぱらと来ますのは、木の葉でございますかな。」
「御覧なさい、星が降りそうですから、」
「成程。その癖音のしますたびに、ひやひやと身うちへ応えますで、道理こそ、一雨かかったと思いましたが。」
「お冷えなさるようなら、貴僧、閉めましょう。」
「いいえ、蚊を疵にして五百両、夏の夜はこれが千金にも代えられません、かえって陽気の方がお宜しい。」
と顔を見て、
「しかし、いかにもその時はお寂しかったでございましょう。」
「実際、貴僧、遥々と国を隔てた事を思い染みました。この果に故郷がある、と昼間三崎街道を通りつつ、考えなかったでもありませんが、場所と時刻だけに、また格別、古里が遠かったんです。」
「失礼ながら、御生国は、」
「豊前の小倉で、……葉越と言います。」
葉越は姓で、渠が名は明である。
「ああ、御遠方じゃ、」