Japanische Klassiker mit Furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lesen Sie 草迷宮 (くさめいきゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.733 Zeichen · 142 Bildschirme
いくらか覚悟はして参りましたが、目のあたりお話を伺いましては、ちと二の足でございますが。」
「一人でも客がありますと、それだけ鶴谷では喜びますそうです。持主の本宅が喜びますものを、誰に御遠慮が入りますものですか。私もお連があって、どんなに嬉しいか知れません。」
「そりゃ、鶴谷殿はじめ、貴下の思召しはさように難有うございましても、別にその……ええ、まず、持主が鶴谷としますと、この空屋敷の御支配でございますな、――その何とも異様な、あの、その、」
「それは私も御同然です。人の住むのが気に入らないので荒れるのだろうと思いますが。
そこなんです、貴僧。逆いさえしませんければ、畳も行燈も何事もないのですもの。戸障子に不意に火が附いてそこいらめらめら燃えあがる事がありましても、慌てて消す処は破れ、水を掛けた処は濡れますが、それなりの処は、後で見ますと濡れた様子もないのですから。
座敷だっていくらもあります、貴僧、」
とふと心づいたように、
「御一所でお煩ければ、隣のお座敷へいらっしゃい。何か正体を見届けようなぞと云っては不可ませんが、鶴谷が許したお客僧が、何も御遠慮には及びません。