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Japanische Klassiker mit Furigana

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きくづきよ

菊月夜

山本 周五郎

Lesen Sie 菊月夜 (きくづきよ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.129 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

高力系に属する者で、早くも寝返りをうとうとするあわただしい動きが始った。信三郎は黙って見ていた、――もがくだけもがいたら、それでとるべき手段に気づくだろう、そう思ったのである。信三郎としては裁決されるまえに自殺してもらいたかったのだ。

江戸から墨付が到着した。忠左衛門は大目附へ召喚され、改めて松谷権太夫始末のことが審問にかけられた。忠左衛門は過去の秕政がとりあげられるだろうと思い、それなら申開きがたつと信じていた、しかし審問は権太夫の件だけで『斬奸状破棄』と『狂人と申しくるめ』たことと『専断に裁決した』という三条が譴責の的だった。証拠として小房の持っていた斬奸状覚書が呈示され、また小姓組三人の口書があった、――こんなことくらい、と歯牙にもかけなかったものが、今や彼の首の根をとって押えたのである。はじめ安倍孫太夫ら同志の重臣たちは、高力系の人物すべてに糾弾を加えようとしたが、信三郎はあくまで忠左衛門一人の処分を主張した、忠左衛門を除けばあとは骨抜きだということがわかっていたからだ、そしてついにその説を押しきったのであった。

評定所において忠左衛門が切腹を命ぜられる日だった。