Japanische Klassiker mit Furigana
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こんにゃくぼん
菎蒻本
泉 鏡花
Lesen Sie 菎蒻本 (こんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.957 Zeichen · 30 Bildschirme
」
「お蝋を持って行くであすか。ふうむ、」と大く鼻を鳴す。
「それも、一度お供えになりました、燃えさしが願いたいのでございまして。」
いや、時節がら物騒千万。
三
「待て、待て、ちょっと……」
往来留の提灯はもう消したが、一筋、両側の家の戸を鎖した、寂しい町の真中に、六道の辻の通しるべに、鬼が植えた鉄棒のごとく標の残った、縁日果てた番町通。なだれに帯板へ下りようとする角の処で、頬被した半纏着が一人、右側の廂が下った小家の軒下暗い中から、ひたひたと草履で出た。
声も立てず往来留のその杙に並んで、ひしと足を留めたのは、あの、古井戸の陰から、よろりと出て、和尚に蝋燭の燃えさしをねだった、なぜ、その手水鉢の柄杓を盗まなかったろうと思う、船幽霊のような、蒼しょびれた男である。
半纏着は、肩を斜っかいに、つかつかと寄って、
「待てったら、待て。」とドス声を渋くかすめて、一つしゃくって、頬被りから突出す頤に凄味を見せた。が、一向に張合なし……対手は待てと云われたまま、破れた暖簾に、ソヨとの風も無いように、ぶら下った体に立停って待つのであるから。
「どこへ行く、」