Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

手には赤いハンドバッグ。白い手袋の下からちらつく、赤いマニキュア。

「先達ては御主人様に御馳走になりましたのよ」

「そうですってね。お杉、おいそがしいでしょうけど、ちょっとあれと遊んでやって下さいね」

南原杉子は川に面したテーブルの近くに腰かける。蓬莱建介とまちあわせだとは云わない。冷いのみものを注文して、彼女は川をみる。

――仁科六郎、昨日あった時、ひどくやせたみたいだったわ。口数もすくなかったし、阿難は心配だわ――

――阿難、今日、斯うして別の男と媾曳することはいけないかしら――

――そうよ。阿難は罪を犯してるような気がするわ、たとい、今から媾曳するのが、南原杉子であっても、阿難はいやなのよ――

――だって、蓬莱建介を愛しちゃいないのよ――

――それでもいや、さ、彼が来ないうちに、帰ってしまいましょうよ――

南原杉子は、少し腰をうかした。が、又煙草に火をつけて落ちついた。ドアがあいた。蓬莱建介がはいって来た。

「まあ、先達てはどうも御馳走様。今日はおひとり?」

蓬莱建介は少し渋い顔をした。妻和子の手前。

「偶然ね。私もひとりよ」

南原杉子は、にやにや笑う。