Japanische Klassiker mit Furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme
そして、しきりに、真珠の首飾りをいじった。
――本当に、浮気をしたなら、浮気をしましたなど云えないわ。夫と、お杉は何かあったのじゃないかしら。でも、彼女は、仁科六郎を愛している筈。いや、愛しているとみせかけて、夫と何かあるのをかくしているのかしら――
蓬莱和子は、仁科六郎と、夫建介とを見比べた。蓬莱建介の方が立派である。彼女は、喜びと不安と、どっちつかずの気持であった。
「六ちゃん。いやに黙っているのね。奥様とおのろけになってもいいことよ」
仁科たか子は、はずかしそうに、しかし嬉しそうにうつむいた。彼女は、善良な女性である。
「お前ときたら、のろけるのは人前だと考えているのかね」
蓬莱建介は笑いながら云う。
「ねえ、あなた。でもお若い御夫婦をみてると羨しくなるわね」
「あらいやだ。ママさんは、御若いのだと、御自分で思ってらっしゃる筈よ」
それは、鋭い南原杉子の言である。
「どうして、あなたよりずっと年寄りよ」
「年齢で若さは決められないわよ」
「じゃあ何」
「だって、人間の精神があるものね。五十でも六十でも若い人居てよ。精神的な若さに、肉体が伴わない場合、しばしば女の悲劇が起るのよ。