Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
頭の天辺から足の爪先まで黒一色、宛然牧師の卵の如きものが出来上ったが、それが決して滑稽でなかった。偶然に寄せ集められたのではなくそこに鳴尾君の好尚がはたらいていたからではあろうが、なにか人柄にぴったり嵌っていて一分の隙もなかった。詩人の身嗜と云ったようなものさえ感じられた。私は鳴尾君におしゃれの天稟のあるのを察知した。恐らく年頃の娘さんはこういう可愛い牧師さんから祝福を授けてもらいたくなるのではなかろうか。鳴尾君はときたまそんな扮装でいそいそと青梅の町などに出かけたりしていた。私はそういう鳴尾君を「贋牧師」と呼んだ。鳴尾君はいつも持前の柔和な微笑で応じた。鳴尾君の意識に厭味な文学趣味など毛ほどもなかったことは云うまでもない。私はまた鳴尾君のことを時に「讃美歌牧師」と云ったりした。鳴尾君の声は純粋のバスだった。印刷所で文選をしながら詩吟をしたり讃美歌をうたうことがあったが、そういう時私達は思わずきき惚れた。そういう人を惑わす技倆を持っているからにはいよいよ贋牧師の資格があると云ったら、鳴尾君は真面目に「ええ、神学社の寄宿舎では僕が一番讃美歌が巧いんです。