Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

一月立っても二月立っても同じであった。私の遣口にはどことなくもたもたした覚束ないところがあって、鳴尾君と比較すると、どうしても正確さや敏速さに欠けていた。二人で何度か競争もやったが、いつも負けた。自分のやることはいつもこれだ、決して番狂わせはないんだ、自分はやっぱり駄目な奴だ、焼木杙だと思った。

「僕は駄目なんだ。わかっているんだ。」

「そんなことはない。」

「誰かが丑の刻参りをして僕を呪っているんだ。」

鳴尾君は噴きだして、

「まさか、そんな、机竜之助ではあるまいし。小山さんのようないい人を呪う人なんかいるものですか。」

「そうかしら、僕はいい人かね。僕は買物をしても嘗て一度も有難うって礼を云われた験がないんだ。僻まざるを得ないね。」

鳴尾君はまた笑って、

「それはひどいな。ほんとですか。しかしそういう受難は聖者の生涯には附きものですね。人に賤しめられ擯けられてこそ聖者でしょ。まあ癩病人みたいなものだな。誰もその毫光には気がつかない。」

「なんだ。そんな子供みたいな顔をしていて、それでもお世辞の一つ位は云えるんだね。贋牧師の本性紛れもないな。」

「いいえ、僕はほんとうにそう思っているんです。