Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

それから私はその頃YMCAで日曜日毎にあった早天礼拝や、夏、御殿場で開催されたイエスの友の会の修養会などに行くようになった。K氏が呶鳴るような声でうたう讃美歌に、少年の私の心はわけもなく惹きつけられた。K氏は私にとっては最初のあこがれの人であった。私は神戸までの切符を買わなければならなかったのだが、そのとき私が所持していた金では、大阪までしか買えなかったのだ。私はともかく大阪まで行けば、あとはどうにかなるだろうと思った。私は汽車の中で聖書をひらき、鋤に手をかけた者は後をふりむくなというような聖句を見つけて、このような際にこの聖句が目に入ったのは、これは神が私の行為を是認している証拠だと強いて思おうとつとめた。自分はこれから貧民窟で貧しい人達のために働く人間なのだと自分で自分に云いきかせた。

大阪へ着いた。私はおなかが空いていたし、また無一文では心細いので、マントを売りはらって金に換えようと思い、駅前にあった古着屋の暖簾をくぐり、交渉したが、古着屋の主は私の方を胡散臭そうに見て、買うわけにはいかないということを大阪弁で云った。私はマントを売ることは諦めた。