Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme
この店は多く廓に出前をしていて、なにか格式が高い感じであった。つまりA級というわけなのだろう。私の馴染の女が、ここのそば鮨というのがうまいと云っていたが、私は遂にこの店に食べに行ったことがなかった。新聞を配達していたならばあるいは行っていたかも知れない。私たちは、店では一号の区域である、電車通りの竹の湯という浴湯の並びにある、蛯さんという鮨屋によく行った。この店は当時四個拾銭で握りも大きく、私たち階級の者には一番よかった。そば鮨などというしゃれたものはここにはなかった。私はよく風呂の帰りに蛯さんに寄って、梅酒というやつをコップに一杯ひっかけて、顔を真赤にして、それから大いに大食を発揮したものである。梅酒なんかで陶然としていたのだから、太平無事なわけである。鮨屋ではこのほかに裏通りに七個拾銭という薄利多売の屋台店があった。流石に握りは小さくて私などには物足りなかった。ここの親爺の住居はやはり一号の区域にあって、親爺は毎晩屋台に出張っていたのである。愛想がよくて、いつもにやにやして、しきりになにか喋っていたが、どうもこの親爺の愛想は少しくそらぞらしくて、身に染みないうらみがあった。