Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

私は鳰の浮巣というのを見たいと思っているが、まだお目にかからない。

メリーは私と連れ立って散歩するのが好きらしい。鼻づらで地面をかぐようにしながら、嬉々としてゆく。池畔をめぐりながらメリーは、藻の匂いに鼻をくんくんいわせたり、鳰の鳴声に肝を消したような顔つきをする。池をひとめぐりすると、私は公園の西の端れのいぬしでの木立のある丘にゆき、そこにあるベンチに腰かけて休み、メリーの首輪から鎖をはずしてやる。そして私の姿が見える範囲内でメリーをひとり勝手に遊ばせてやる。

私はひごろからこの場所が好きなのである。私は都会育ちで木や草には馴染みがうすく、とんと疎い方なのだが、いつかいぬしでの樹に親しみを感ずるようになった。その暗灰色の樹の肌や、丈高く細長い伸びようをしている幹の姿態を見ると、なにかの動物にでも接しているような親しみが湧く。いぬしでの冬木立はよかった。裸になった梢の発揮する生気はなんとも云えなかった。また、その梢に新芽が萌えだしたときの初々しさといったら、なかった。青葉の頃、ベンチに腰かけて上を仰ぐと、私の頭上高く、緑の天蓋が覆いかぶさっていて、私はうっとりとしていい気分になるのであった。