Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「よろしかったら、どうぞ。」

「ありがと。折角だけど、外国製はどうも苦が手なんだ。一度試みてみたのだが、三日ばかりおくびが止まらないんだ。口に合わないらしい。」

「おくびが出ちゃ、困りますわね。」

「飯がまずくてね。君、やるのだったら、遠慮なく。」

「いいえ、私は不調法です。」

「そうだろう。君には似合わないよ。」

彼女は眼に勝気な色を見せ、こちらを見つめながらうすら笑いをした。私はなにか面伏せな気持を感じた。

「先生は、」と云って口籠った、やはり口元に笑いを見せながら。こちらは思わず向うの顔を見つめる。

「先生はお写真で拝見したよりは、お若くていらっしゃるし、」

「え?」

「それにずっとお綺麗ですわ。」

あまりに思いがけなかった。私はみるみる赤くなった。かくすよしなく赤くなった。私はここでは二重に赤面すべきなのだろうが、いかに私が名優でもそんな器用な真似は出来ない。私はただ芸もなく小山清一人のために赤くなった。うかうかと二度の不覚を喫したわけである。――プロマイドにサイン組でないことは初手から睨んではいたが、それにしても乙にモナ・リザを気取っていやがる。ちと小癪にさわるて。