Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

、僕は歌舞伎座の廊下をさかんに往きつ戻りつしたんだ。自分では充分に隙を見せたつもりなんだ。なんだか自分が助六にでもなったような気分で、いまに名刺の雨が降るという期待でわくわくしていた。」

「それで、雨が降りましたか?」

「ところが、さっぱり降らないんだ。彼女達も廊下に出てそちこちに三々五々屯して、例の囁きだけは止めないんだがね。『成駒屋よ、いいわねえ。』『ちょいと、横顔がいいじゃないの。』『あら、ハンカチを出して鼻を拭いているわ。』『プーシュキンに似てやしない?』まさかそんなことは云わないが、しかし、一人のその群を抜きん出て僕に慇懃を通じようとする奇特な者とてはいないんだ。なんべん廊下を往復したか知らないが、遂に徒労に終った。」

「ひやかしにあったようなものですわね。」

「そうなんだ。褒めてばかりいて、財布の紐はほどかない。やっぱり玄人なんてえのはちゃっかりしているんだね。他日友人間にこの話を披露したところ、異口同音に『おごれ。』さ、成駒屋に間違えられただけでも大出来だと云ってね、その後しばらくは、僕を呼ぶに成駒屋を以てした。」

「面白いお話ですわ。先生らしくって。