Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.667 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

馬吉のオカカがラッパを吹くたびに、アネサは実に虚無を感じた。全身の力が一時にぬけてしまう。決して怠けているのではない。シンからねむたくなったり、力がスッカリぬけおちて身動きをするのもイヤになる。誰が一々返事をしたり、喋ったりする気持になるものか。

しかし、どうしても、オソメが死ぬような気がするのであった。谷を渡るとき、足をすべらして死ぬような気がする。ちょッと病気では死なないようだ。いくらヒヨワに育っても、若い者はなかなか病気ぐらいではくたばらないのが実に面白くないことである。オソメが死ぬ。ミコサマはビックリして、自分が考えちがいしていたことに気がつく。選ぶべからざるオソメを選んだアヤマチに気がつくのである。どうしてミコサマともあろうものがそんな軽率なことをしてしまったか。しかし、今からでもおそくはない。ミコサマは空をきる矢のように畑や森や谷をとんで、クマをむかえにくる。そうでなければならないはずだ。さもなければ、てんで話が合わない。キンカの野郎のアネサは朝ごとにオカカの奴が耳もとでラッパをふいてゆり起すたびに、今日こそは、と考える。オソメが谷を渡りそこなって死ぬ。