Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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らくご・きょうそれつでん

落語・教祖列伝

坂口 安吾

Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.807 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

共同井戸だから、宵のうちは井戸端がにぎわっている。カメは洗濯のオカカ連をかきわけて、いきなり井戸へドブンととびこんだ。

「カメが身投げしたぞ」

「カメが、又、死んだぞ」

そう何べんも死ねない。一人でもうるさいオカカどもが、つれだって口々に叫ぶから、たまらない。オトト連は耳をおさえて、とびだしてきて、

「なんだ。なんだ」

「なに? 又カメの奴が身投げしたと? さア、大変だ。オレが月番だから、名主のハゲアタマと一しょに御奉行様に叱りつけられる。だから、あの野郎を山からつれてくるのは考えもんだとオレが言ったことだ」

「今さら、そんなことを云っても、仕方がない。これでこの井戸が使えないのが、大変だ。死に場所はいくらもあるのに、ひどい野郎だ」

ワイワイ云っていると、井戸の底から、

「オーイ」

「アレ?」

「オーイ」

「アレ。カメが生きてやがる。オーイ。お前、生きてるか」

「生きてるぞ」

「ウーン。運のいい野郎だなア。この深い井戸へとびこんで、二度も生きてやがる。バカの身体というものは特別なものだ。しかし、これで井戸がえをせずに、助かった。ヤーイ、怪我はないか」

「怪我はないぞ」