Japanische Klassiker mit Furigana
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らくご・きょうそれつでん
落語・教祖列伝
Lesen Sie 落語・教祖列伝 (らくご・きょうそれつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.807 Zeichen · 28 Bildschirme
そこで源左が、
「カメはミソ漬けのムスビを腹いっぱい食えばいいのだから、五石二人扶持でタクサンだ」
と、きめてしまったのだそうである。
カメは扶持に不足はなかった。それに川へ稽古にでかけさえすれば窮屈な御殿づとめをはなれることができるから、サムライの生活をいとわないようになった。
そして、厳寒をのぞいて、たいがい川へ稽古にでかけて、御殿づとめを怠けていた。だから好んで弟子になる者がない。ただ十兵衛だけが益々よろこんで、寒中でもカメの後につきしたがって、稽古を休んだことがなかった。
十兵衛がカメから最初の稽古をうけたとき、カメが長いこと考えて、第一に教示したのは次のようなことであった。
「そうだね。一番先に大事なのは、朝のうちに、ネンボをこいておくことだ」
ネンボとはクソのことである。毎朝よくクソをしておけ、というのだ。十兵衛はこの第一課を先ずノートに記入した。
神伝魚心流極意。師口伝。
初心。
その一。朝ごとにネンボよくこけ。
十兵衛の書き残した口伝書の第一巻第一頁にちゃんとそう書いてある。
神伝魚心流という名は、カメがそういうことに興味をもたないから、十兵衛が源左に相談し、殿の許可をうけて、きめたものである。