Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かつしかすなご
葛飾砂子
泉 鏡花
Lesen Sie 葛飾砂子 (かつしかすなご) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.677 Zeichen · 37 Bildschirme
衣を振返って、憂慮げに土間に下りて、草履を突かけたが、立淀んで、やがて、その手拭を取って頬被。七兵衛は勝手の戸をがらりと開けた、台所は昼になって、ただ見れば、裏手は一面の蘆原、処々に水溜、これには昼の月も映りそうに秋の空は澄切って、赤蜻蛉が一ツ行き二ツ行き、遠方に小さく、釣をする人のうしろに、ちらちらと帆が見えて海から吹通しの風颯と、濡れた衣の色を乱して記念の浴衣は揺めいた。親仁はうしろへ伸上って、そのまま出ようとする海苔粗朶の垣根の許に、一本二本咲きおくれた嫁菜の花、葦も枯れたにこはあわれと、じっと見る時、菊枝は声を上げてわっと泣いた。
「妙法蓮華経如来寿量品第十六自我得仏来所経諸劫数無量百千万億載阿僧祇。」
川下の方から寂として聞えて来る、あたりの人の気勢もなく、家々の灯も漏れず、流は一面、岸の柳の枝を洗ってざぶりざぶりと音する中へ、菊枝は両親に許されて、髪も結い、衣服もわざと同一扮で、お縫が附添い、身を投げたのはここからという蓬莱橋から、記念の浴衣を供養した。七日経ってちょうど橘之助が命日のことであった。
「菊ちゃん、」
「姉さん、」
二人は顔を見合せたが、涙ながらに手を合せて、捧げ持って、