Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あしはみていた
葦は見ていた
山本 周五郎
Lesen Sie 葦は見ていた (あしはみていた) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.985 Zeichen · 36 Bildschirme
堤の上から一人の若い女がおりて来た。
あの段々に窪みの出来ているところから、灌木の枝につかまりつかまり、危なっかしい恰好で下へおりて来、そこでまわりを眺めやった。年はもう二十一か二くらいであろう。髪のかたちや着物の着かたで、水商売をしていたらしいことが想像される。小麦色の細おもてに、眉が濃く、眼尻のあがった、いかにも勝ち気らしい顔だちであるが、小さい肩や、そこだけ緊って肉づいた腰つきなどに、洗練された嬌めかしさと色気が感じられた。
女は蒔絵の文筥を持っていた。その文筥はかなり古びたもので、結んだしで紐も太く、その紫の色もすっかり褪色していた。
女は振向いて堤の上を見、それから川の向うを見た。遠くを見るときには、その眼が細くなり、眉間に皺がよった。やがて、――女は地面の上に文筥を置いた。そこは、絶えず堤から崩れる土で、少しばかり高くなっている。女はその高くなった処へ文筥を置き、それから着物の裾をからげて帯に挾んだ。下からは水色の縮緬の二布があらわれたが、女はさらにその二布をからげ、左右の端をしっかりと結び合せた。すると彼女のしなやかな、すんなりとかたちのいい脛が、膝のところまで剥きだしになった。