Japanische Klassiker mit Furigana
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あしはみていた
葦は見ていた
山本 周五郎
Lesen Sie 葦は見ていた (あしはみていた) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.985 Zeichen · 36 Bildschirme
厳格には育てられたが、一人息子の気弱さと、恥ずかしがりやな性分がめだっていた。それがすっかり変ったのである。顔つきにも態度にも、内にひそめた力感と、芯の強さがあらわれ、言葉つきなどもはっきりと明白になった。――それはちょうど、重患から恢復した者が、まえよりもずっと健康になるような例に似ていた。
明くる年の二月、計之介は中老の席につき、深江と結婚した。彼はべつに謝罪めいたことは云わなかったし、深江にも彼の過失を咎めるようすはなかった。
結婚して二年めに長男の小太郎が生れ、一年おいて二男の杉之助が生れた。そのとき、計之介は妻に云った。
「男の子が二人あればいい、もう子供は生まないことにするよ」
深江はそうでございますかと答えた。彼女には良人がなぜそんなことを云うのか、そのときは見当もつかなかったのである。しかし日の経つにしたがって、良人がしぜんでない方法をとるようになり、それがいつまでも続くので、不審に耐えられなくなって訊いた。
「あなた本当にもう子供は生まないおつもりなのですか」
「おまえは冗談だとでも思っていたのか」
「どうしてですの」と深江は云った、「それは男の子が二人いれば不足とは申せませんでしょうけれど、この二人がまちがいなく無事に育つという証拠もございませんわ、いつ一人が欠けるか、いいえ二人ともとられる