Japanische Klassiker mit Furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lesen Sie 薄紅梅 (うすこうばい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.133 Zeichen · 122 Bildschirme
顎ではない、舌である。細く長いその舌である。
いかに、短冊としては、詩歌に俳句に、繍口錦心の節を持すべきが、かくて、品性を堕落し、威容を失墜したのである。
が、じれったそうな女房は、上気した顔を向け直して、あれ性の、少し乾いた唇でなぶるうち――どうせ亭主にうしろ向きに、今も髷を賞められた時に出した舌だ――すぼめ口に吸って、濡々と呂した。
――こういう時は、南京豆ほどの魔が跳るものと見える。――
パッと消えるようであった、日の光に濃く白かった写真館の二階の硝子窓を開けて、青黒い顔の長い男が、中折帽を被ったまま、戸外へ口をあけて、ぺろりと唇を舐めたのとほとんど同時であったから、窓と、店とで思わず舌の合った形になる。
女房は真うつむけに突伏した、と思うと、ついと立って、茶の間へ遁げた。着崩れがしたと見え、褄が捻れて足くびが白く出た。
五
「ごめんなさい。」
返事を、引込めた舌の尖で丸めて、黙りのまま、若い女房が、すぐ店へ出ると……文金の高島田、銀の平打、高彫の菊簪。十九ばかりの品のあるお嬢さんが、しっとり寂しいほど、着痩せのした、縞お召に、ゆうぜんの襲着して、藍地糸錦の丸帯。