Japanische Klassiker mit Furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lesen Sie 薄紅梅 (うすこうばい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.133 Zeichen · 122 Bildschirme
でも、その、ゆうべおいでなさいました時、「たそがれ。――いいのね。」とおっしゃいます。……晩方でございましょう。変に暗くて気味が悪し、心細し、といいますうちにも、立込みまして、忙しくって不可ませんと申しましたら、お笑いなさいましたんでございます。長屋世帯はすぐそれですから、ほほほ。小説の題の事だったのでございますもの。大好きな女の名でいらっしゃるんですって。……田舎源氏、とかにもありますそうです。その時、京の五条とか三条あたりとかの暮方の、草の垣根に、雪白な花の、あわれに咲いたお話をききましたら、そのいやな入相が、ほんのりと、夕顔ほどに明るく、白くなりましてございましてね。」
女房は、ふと気がさしたか、町通りの向う角へ顔を向けた、短冊の舌は知らん顔で、鶏頭が笑っている。写真館の硝子窓は静に白い日を吸って。……
「……古寺の事もうかがいました。清元にございますってね。……ところどころ、あの、ほんとうに身に沁みますようですから、そのお娘ごにおねだりして、少しばかり、巻紙の端へ。――あ、そうそう、この本の中へ挟んで、――まあ、いい事をいたしました。大事に蔵って置こうと存じながら、つい、うっかりして、まあ、勿体ないこと。