Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うすこうばい

薄紅梅

泉 鏡花

Lesen Sie 薄紅梅 (うすこうばい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.133 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

まさか、蕎麦屋で、かけ一、御酒なしでも済まないので、苦心の結果、場末の浪花節を聞いたという。こんなのは月賦が必ず滞る。……洋服屋の宰取の、あのセルの前掛で、頭の禿げたのが、ぬかろうものか、春暖相催し申候や否や、結構なお外套、ほこり落しは今のうち、と引剥いで持って行くと、今度は蝉の方で、ジイジイ鳴噪いでも黐棹の先へも掛けないで、けろりと返さぬのがおきまりであった。

――弁持十二――というのも居た。おなじ門葉の一人で、手弁で新聞社へ日勤する。月給十二円の洒落、非ず真剣を、上杉先生が笑ったのである。

ここに――もう今頃は、仔細あって、変な形でそこいらをのそついているだろう――辻町糸七の名は、そんな意味ではない。

上杉先生の台町とは、山……一つ二つあなたなる大塚辻町に自炊して、長屋が五十七番地、渠自ら思いついた、辻町はまずいい、はじめは五十七、いそなの磯菜。

「ヘン笑かすぜ、」「にやけていやがる、」友達が熱笑冷罵する。そこで糸七としたのである。七夕の恋の意味もない。三味線の音色もない。

その糸七が、この大雪に、乗らない車坂あたりを段々に、どんな顔をしていよう。