Japanische Klassiker mit Furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lesen Sie 薄紅梅 (うすこうばい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.133 Zeichen · 122 Bildschirme
ものは称呼も大事である。辻町糸七が、その時もし、真珠、と云って策を立てたら、弦光も即諾して、こま切同然な竹の皮包は持たなかったに違いない。雪に真珠を食に充て、真珠をもって手を暖むとせんか、含玉鳳炭の奢侈、蓋し開元天宝の豪華である。
即時、その三本に二貫たして、円タクで帰ったが、さて、思うに大分道草――(これも真珠としよう)――真珠を食った。
茅町の弦光の借屋の膳の上には、芋がらの汁と、葡萄豆ぽっちり、牛鍋には糸菎蒻ばかりが、火だけは盛だから炎天の蚯蚓のようだ、焦げて残っている、と云った処で、真珠を食ったあとだから、気が驕って、そんなものには、構っておられん。
本文を取急ごう。
その主意たるや、要するに矢野弦光が、その日、今朝、真もって、月村一雪、お京さんの雪の姿に惚れたのである。
一升徳利の転がったを枕にして、投足の片膝組みの仰向けで、酒の酔を陰に沈めて、天井を睨んでいたのが、むっくり、がばと起きると、どたりと凭掛ったまま、窓下の机をハタと打った。崖下の雪解の音は余所よりも。……
いま、障子外の雨落の雫がこの響きで刎ねそうであった。
「糸的。」
「ええ、驚いた。