Japanische Klassiker mit Furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lesen Sie 薄紅梅 (うすこうばい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.133 Zeichen · 122 Bildschirme
」と笑の、何だか空虚さ。所帯気で緊ると、笑も理に落ちるかと思ったっけ。やがて、故郷、佐賀県の田舎の実家に、整理すべき事がある、といって、夏うち国に帰ったのが――まだ出て来ない。それについて、御縁女、相談に来せられたかな……
糸七は蟇と踞み、
南瓜の葉がくれ、
尾花を透かして、
蜻蛉の目で、
覗きながら、咄嗟に心で思ううちに、框の障子の、そこに立ったお京の、あでやかに何だか寂しい姿が、褄さきが冷いように、畳をしとしと運ぶのが見えて、縁の敷居際で、すんなりと撓うばかり、浮腰の膝をついた。
同時に南瓜の葉が一面に波を打って、真黄色な鴎がぱっと立ち、尾花が白く、冷い泡で、糸七の面を叩いた。
大塚の通を、舟が漕ぎ、帆が走る……
――や、あの時にそっくりだ。そうだ、しかも八月極暑よ。去んぬる年、一葉女史を、福山町の魔窟に訪ねたと同じ雑誌社の用向きで、中洲の住居を音信れた事がある。府会議員の邸と聞いたが、場処柄だろう、四枚格子の意気造り。式台で声をかけると、女中も待たず、夕顔のほんのり咲いた、肌をそのままかと思う浴衣が、青白い立姿で、蘆戸の蔭へ透いて映ると、すぐ敷居際に――ここに今見ると同じ、支膝の七分身。