Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あざみ

薊

山本 周五郎

Lesen Sie 薊 (あざみ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.800 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、おれにとっては大事なことだ。多数の人たちには些細なことであっても、或る一人にとっては生涯を賭けるような問題もある。妻がそこにいて、しかもそこにいないという実感。なにかを妻と話しているとき、いっしょに食事をするとき、寝屋で抱きあっているとき、自分の眼で見、話しあい、触れあっているのは妻の形骸だけで、本当の妻そのものは遠いところにいる。それがまざまざと感じられる苦痛は耐えがたいものだ。

「大事なことだ」と彼は妻に答えた、「おれにとっては大事なことなんだ」

「わたくしでかけなければなりません」

「ゆきを」と彼は云った、「岡野はなにを知っていたんだ、おまえはどんな秘密を彼に知られていたんだ」

「あなたはお聞きになった筈です」

「おれの聞いたのは茶会のことだけだ」

「それが全部ですわ」とゆきをは云った、「あの方はなにかを誤解して、根もない誹謗でわたくしを辱しめました、ですからはたし合をして頂きたいとお願いしたんです」

「あのつまらぬ陰口が、そんなにおまえを辱しめたというのか」

「あの方は軽薄な臆病者です」とゆきをは云った、「すてておけば、いつまでも卑しい陰口を云い廻るでしょう、それが広まってしまえば、あなたのお名にも瑕がつきますし、わたくしも生きてはいられなくなります」