Japanische Klassiker mit Furigana
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くすりうり
薬売り
小川 未明
Lesen Sie 薬売り (くすりうり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.791 Zeichen · 8 Bildschirme
けれど、また気味悪くも思ったので、隠れようとしましたが、そんな場所がなかったので、きゅうりの垣根の蔭に黙って立っていますと、薬売りの声はだんだん近づいてきたのでありました。
その細い、さびしい途は、すぐこの圃のそばを通っていました。どうかして、薬売りの男に自分の姿が発見からなければいいがと、太郎は心で気をもんでいました。
いつしか薬売りは、間近にやってきましたから、太郎は顔を見ないように下を向いていますと、
「坊ちゃん、坊ちゃん。」
不意に、こう呼びかけられたので、太郎は思わず身震いしました。そうしてやっと、顔を上げて、おそるおそる薬売りのほうを見ますと、かさをかぶった薬売りは途の上に立って、じっとこちらを向いていました。
「坊ちゃん、お願いがありますが。」と、薬売りはいいました。
「なあに。」と、太郎は、お願いと聞いて返事をしました。
「のどが渇いて、しかたがありませんのですが、この辺に水はありませんでしょうか。」と、薬売りは扇子を指頭でいじりながらいいました。
「ずっと、あっちまでゆかないと井戸はありませんよ。」と、太郎は答えました。
「そうですか。私は、もうのどが渇いて、我慢ができなくなりました。