Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
とうじゅうろうのこい
藤十郎の恋
菊池 寛
Lesen Sie 藤十郎の恋 (とうじゅうろうのこい) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.078 Zeichen · 25 Bildschirme
ちょっと披見いたしまする。皆の衆御免なされませ。なになに漣子どの、巣林より、さて近松様からの書状じゃ。(口の中に黙読する、最後に至りて声を上げる)こんどの狂言われも心に懸り候ままかくは急飛脚をもって一筆呈上仕り候。少長どのに仕負けられては、独り御身様の不覚のみにてはこれなく、歌舞伎の濫觴たる京歌舞伎の名折れにもなること、ゆめゆめご油断なきよう御工夫専一に願い上げ候。(しばらく考えてまた読み返す)京歌舞伎の名折れにもなること、うむ! なんの仕負けてよいものか。ははは……が、近松様も、この藤十郎を思わるればこそ、いかい御心労じゃ。
千寿 (言葉も女の如く)さようでござりますとも、こんどの狂言には、さすがの近松様も、三日三晩、肝胆を砕かれたとのことじゃ。ほんに、仇やおろそかには思われぬわいのう。
弥五七 (道化方らしく誇張した身振りで)さればこそ前代未聞の密夫の狂言じゃ。傾城買にかけては日本無類の藤十郎様を、今度はかっきりと気を更えて、密夫にしようとする工夫じゃ。傾城買の恋が春の夜の恋なら、これはきつい暑さの真夏の恋じゃ。身を焦がすほど激しい恋じゃ。
四郎五郎 夏の日の恋というよりも、恐ろしい冬の恋じゃ。