Japanische Klassiker mit Furigana
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やぶおとし
藪落し
山本 周五郎
Lesen Sie 藪落し (やぶおとし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.118 Zeichen · 14 Bildschirme
は云わぬ、五年のあいだおれにやまさがしをさせてくれ、かならずやまを当て与石の家を盛返してみせるから。
――はい。
お豊には良人の気持がよく分ったので、家のことは自分ひとりで始末をし、良人には何の心配もなくやまさがしをさせようと決心した。それからお豊の困難な生活が始まった。
勘三郎は腰へ弁当の包を縛りつけ、丸鑿と金槌と砿石を入れる革袋を持ち毎日暗いうちから山へ登って行く、それを送りだしてからお豊は姑のお常と雇男の助三郎を相手に、野良へ出て百姓の荒仕事にかかるのだ、田鋤きにも植付にも、勘三郎の手は煩わさなかった。蚕が始まると三日も四日も眠らずに過すことがある、人を雇うほどのゆとりはないし、少く掃けば収入に差閊えるので、お豊は体をいとわず働きとおした。
――良人がやまさえ当てれば。
そうすれば何もかも償われる、お豊はそう思うことで自分の体に鞭うっていた。
二年目の夏、田の草取りで猫の手も借りたい時分にお豊は男の子を生んだ。お産はきわめて軽かったが、ながいあいだ体に無理をしてきたので、その後の肥立ちが思うようにゆかなかった。そうかといって草取りの時期にいつまで床についてもいられないので、一週間ほどすると野良へ出たが、半日足らず草を抜くうち暑気にあてられて倒れてしまった。