Japanische Klassiker mit Furigana
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あしかり
蘆刈
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蘆刈 (あしかり) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.413 Zeichen · 78 Bildschirme
のはいまわたしどもがこうしているこの洲のあたりにもむかしは江口の君のような遊女どもが舟を浮かべていたのではないでしょうか、この月に対してわたしの眼前にほうふつと現れてくるものは何よりもその女どものまぼろしなのです、わたしはさっきからそのまぼろしを追うこころを歌にしようとしていたのですけれどうまいぐあいに纏まらないので困っていたのです。されば、誰しも人のおもうところは似たようなものでござりますなとその男は感に堪えたようにいって、いまわたくしもそれと同じようなことをかんがえておりました。わたくしもまたこの月を見まして過ぎ去った世のまぼろしをえがいていたのでござりますとしみじみとそういうのである。お見受け申すところあなたも御年輩のようですがとわたしはその男の顔をのぞきこみながらいった、おたがいにこれは年のせいですな、わたしなぞ、ことしは去年より、去年はおととしより、一年々々と、秋のさびしさというか、あじきなさというか、まあ一とくちにいえばどこからともなくおとずれてくるまったく理由のない季節の悲しみというようなものを感じることが強くなります、風のおとにぞおどろかれぬるといいす