Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
そせい
蘇生
豊島 与志雄
Lesen Sie 蘇生 (そせい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.974 Zeichen · 31 Bildschirme
と秋子は云った。
「もういいようです」と敬助は答えた。
暫く沈黙が続いた。
「兄が宜しく申しましたの。」
「御心配をかけてすみません。」
また沈黙が続いた。
「外はお寒いでしょう。」と敬助は云った。
「ええ、すこおし……。」
また沈黙が続いた。
その時中西は立ち上った。そして階下を下りて行った。看護婦は階下で食事をしていた。
二人になると急に感情がこみ上げて来た。敬助は身を起した。すると秋子は彼の手に縋りついた。
「兄さん!」と彼女は叫んで泣き出した。
それは彼女が敬助に向けた最初の呼名だった。然し二人はそれに自ら気付かなかった。
「兄さん!」と彼女は泣きながら云った、「兄さんは、生きていて下さい。私がお願いですから。」
「ええ生きます。」敬助は声を震わした。
「私は覚えていますの、」と秋子はまた云った、「姉さんが云ったことを。私は死ぬかも知れない、けれど高木さんは助けなければって。」
敬助は思わず身を引いた。壜の中に僅かしか残っていなかった劇薬のことが、初めて彼の脳裏に閃いた。
秋子は息をつめて彼の様子を涙の眼で見上げた。
「どうかなすって?」
敬助はその声に我に返った。