Japanische Klassiker mit Furigana
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きょこうのはる
虚構の春
Lesen Sie 虚構の春 (きょこうのはる) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.586 Zeichen · 108 Bildschirme
編輯部、高橋安二郎。なお、挿絵のサンプルとして、三画伯の花鳥図同封、御撰定のうえ、大体の図柄御指示下されば、幸甚に存上候。」
月日。
「前略。ゆるし玉え。新聞きり抜き、お送りいたします。なぜ、こんなものを、切り抜いて置いたのか、私自身にも判明せず。今夜、フランス製、百にちかい青蛙あそんでいる模様の、紅とみどりの絹笠かぶせた電気スタンドを、十二円すこしで買いました。書斎の机上に飾り、ひさしぶりの読書したくなって、机のまえに正坐し、まず机の引き出しを整理し、さいころが出て来たので、二、三度、いや、正確に三度、机のうえでころがしてみて、それから、片方に白いふさふさの羽毛を附したる竹製の耳掻きを見つけて、耳穴を掃除し、二十種にあまるジャズ・ソングの歌詞をしるせる豆手帳のペエジをめくり、小声で歌い、歌いおわって、引き出しの隅、一粒の南京豆をぽんと口の中にほうり込む。かなしい男なのです。そのとき、出て来たものは、この同封の切り抜きです。何か、お役に立ち得るような気がいたします。私は、白髪の貴方を見てから死にたい。ことしの秋、私はあなたの小説をよみました。へんな話ですけれども、私は、友人のところであの小説を読んで、それから酒を呑んで、そのうちに、おう、おう、大声を放って泣いて、途中も大声で泣きながら家へかえって、ふとん