Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
閑花素琴の春を司どる人の歌めく天が下に住まずして、半滴の気韻だに帯びざる野卑の言語を臚列するとき、毫端に泥を含んで双手に筆を運らしがたき心地がする。宇治の茶と、薩摩の急須と、佐倉の切り炭を描くは瞬時の閑を偸んで、一弾指頭に脱離の安慰を読者に与うるの方便である。ただし地球は昔しより廻転する。明暗は昼夜を捨てぬ。嬉しからぬ親子の半面を最も簡短に叙するはこの作者の切なき義務である。茶を品し、炭を写したる筆は再び二人の対話に戻らねばならぬ。二人の対話は少なくとも前段より趣がなくてはならぬ。
「宗近と云えば、一もよっぽど剽軽者だね。学問も何にも出来ない癖に大きな事ばかり云って、――あれで当人は立派にえらい気なんだよ」
厩と鳥屋といっしょにあった。牝鶏の馬を評する語に、――あれは鶏鳴をつくる事も、鶏卵を生む事も知らぬとあったそうだ。もっともである。
「外交官の試験に落第したって、ちっとも恥ずかしがらないんですよ。普通のものなら、もう少し奮発する訳ですがねえ」
「鉄砲玉だよ」
意味は分からない。ただ思い切った評である。藤尾は滑らかな頬に波を打たして、にやりと笑った。