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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

真面目なものが世の中に少ないごとく、僧侶にも多くはないが――しかし今だって全く無い事はない。何しろ古い寺だからね。あれは始めは一乗止観院と云って、延暦寺となったのはだいぶ後の事だ。その時分から妙な行があって、十二年間山へ籠り切りに籠るんだそうだがね」

「蕎麦どころじゃありませんね」

「どうして。――何しろ一度も下山しないんだから」

「そう山の中で年ばかり取ってどうする了見かな」

と宗近君が今度は独語のように云う。

「修業するのさ。御前達もそうのらくらしないでちとそんな真似でもするがいい」

「そりゃ駄目ですよ」

「なぜ」

「なぜって。僕は出来ない事もないが、そうした日にゃ、あなたの命令に背く訳になりますからね」

「命令に?」

「だって人の顔を見るたんびに嫁を貰え嫁を貰えとおっしゃるじゃありませんか。これから十二年も山へ籠ったら、嫁を貰う時分にゃ腰が曲がっちまいます」

一座はどっと噴き出した。老人は首を少し上げて頭の禿を逆に撫でる。垂れ懸った頬の肉が顫え落ちそうだ。糸子は俯向いて声を殺したため二重瞼が薄赤くなる。甲野さんの堅い口も解けた。

「いや修業も修業だが嫁も貰わなくちゃあ困る。