Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「少し灯が曲っているから……」と小野さんは拭き取った指頭を鼻の先へ持って来てふんふんと二三度嗅いだ。
「あの婆さんが切るといつでも曲る」と先生は股の開いた灯を見ながら云う。
「時にあの婆さんはどうです、御間に合いますか」
「そう、まだ礼も云わなかったね。だんだん御手数を掛けて……」
「いいえ。実は年を取ってるから働らけるかと思ったんですが」
「まあ、あれで結構だ。だんだん慣れてくる様子だから」
「そうですか、そりゃ好い按排でした。実はどうかと思って心配していたんですが。その代り人間はたしかだそうです。浅井が受合って行ったんですから」
「そうかい。時に浅井と云えば、どうしたい。まだ帰らないかい」
「もう帰る時分ですが。ことに因ると今日くらいの汽車で帰って来るかも知れません」
「一昨かの手紙には、二三日中に帰るとあったよ」
「はあ、そうでしたか」と云ったぎり、小野さんは捩じ上げた五分心の頭を無心に眺めている。浅井の帰京と五分心の関係を見極めんと思索するごとくに眸子は一点に集った。
「先生」と云う。顔は先生の方へ向け易えた。例になく口の角にいささかの決心を齎している。
「何だい」